あたしは、トランペットの事を一穂さんに質問した。
一穂さんは、ちょっと待ってね。そういうと急いで靴を履いて
玄関から飛び出ていった。暫くすると、トランペットを持ってきて
あたしに見せてくれた。
バイトして買ったというそのトランペットはシルバーだった。
値段は管楽器売り場にいるからみて良い物だというのは一目でわかった。高かったけど、自分のペットが欲しかったからね。
一穂さんは言った。
「なぜ、トランペットを吹こうと思ったんですか?」
あたしの質問に、にこっと笑って、キミと同じ理由だよ。
その時に、あたしは自分の名前を名乗ってない事に気付いた。
「すいません、自己紹介が遅れました。月見里花音といいます」
私はぺこっとお辞儀して、一穂さんに答えた。
「花音ちゃんね。こちらこそ、宜しくね!」
そして、一穂さんも、あの夜空のトランペットを聞いて、トランペットを吹き始めたと答えた。なるほど、あたしは確かにあの曲は
満天の星空の下で吹くには、ピッタシの曲だと思った。
あたしは、不意に、トランペットを吹いてみたみたくなった。
勿論、吹いたことなどないから、音がなるのかどうかさえもわからない。でも、あの曲を吹いてみたい。そして、許してもらえるなら、
波の音色も吹いてみたいと思った。
思ったことは言ってしまう。でも、断られたどうしよう・・・・・・
一応に不安にはなるが、あたしは思いきって聞いてみた。
「あたしもトランペット吹いてみたいです!」
一穂さんは驚いた顔をしてあたしを見たけど、あたしが真面目な顔をして言ったものだから、暫く天井を見上げて、答えた。
「俺が教えてあげようか?」
その言葉に、瑞穂さんが慌てだした。
「ちょ、ちょっと待ってくれよ」
その言葉を聞いていないように、一穂さんが続けて言った。
「じゃー毎週土曜日にここに通える?」
あたしは、その言葉に大きな声で
「はいっ!」と答えていた。


