瑞穂さんは驚いていた。あたしと一穂さんはいたって冷静だった。
「じゃー花音ちゃん、約束したからね!忘れないでね」
一穂さんの言葉にあたしはお礼を言った。
「宜しくおねがいしますねっ!」
口をぽかんとあけて立ち尽くしている瑞穂さんを横において
「花音ちゃんは、車持ってるの?」
「いえ、免許は取ったけど、まだ車は持っていません」
「なら、土曜の朝に僕が迎えにいこうか?」
「大丈夫です。電車で着ますから」
「じゃー駅についたら電話してくれたら良いよ」
あたしと一穂さんはすぐに携帯の電話番号を交換して、ついでにと
メルアドも交換した。
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
またしても瑞穂さんが横から口を挟む。
あたしと一穂さんは同時に瑞穂さんを見た。
「若い女の子が、男の部屋に遊びにいくのは感心できない!お、俺が送っていこうか?」
「そんな手間かけさせるわけにはいきません!大丈夫です。一穂さんに限ってそんな事・・・・・・」
いやいやと言って首を振った。そんな瑞穂さんを見て一穂さんは大きな声で笑い出した。
「瑞穂、正直に言ったらどうなんだ?」
「な、何を・・・・・・・?」
「正直に言えないのなら、おまえは送ってこなくて良いよ。おまえが送るくらいなら俺が迎えに行くから」
ごにょごにょ・・・・・瑞穂さんは聞こえない声で何かを言うが意味が全く伝わらない。そんな瑞穂さんをみて、ふーっと大きなため息をついた。「変わってないのね。おまえはいつまでも」
そう、瑞穂さんはなんと好きな女性の前では赤面性で、思うように言葉が出せないらしい・・・・・・それをきいたあたしは驚いた。
あの、会社の女性社員の憧れの、仲森係長が・・・・・・すこし笑いそうになった。そして、その相手があたしだという驚きも更にあった。


